「紙」について考えてみる。

スリーリングスでは、大阪中津の昔ながらの印刷方法で刷るレトロ印刷JAMさんで本の印刷を発注して手作業で一つ一つ製本しています。

紙によって手触り紙質、雰囲気が違っていたり、無意識に指先の感覚が紙に触れることに遊んでいるようなかんじになります。手やインクのにおいがほんのり付くのもこりゃまた好きなんですよね~。

製本って結構繊細な作業ですが、感覚的な動作でもあり瞑想状態にもなるので好きな作業です。

ネットが発達した今、電子書籍も増えて携帯やパソコンで読めるようになりました。絶版になって現物で手に入らない本は電子書籍で読んだりしていますが、私は本に書き込みやメモをしながら読み進めたり、紙をめくる手の動きや、あの内容はここらへんのページにあったらなあなんて思い出したり、紙の本の方が体感覚をより使い理解度や吸収力が上がるような気がしています。

やっぱり、紙の本の力には何かあるようです。

改めて「紙」とな何ぞやということを考えてみました。

むかしむかし、紙は木か作られる高価なものとして重宝されていました。また、木や石、太陽、雷などの自然のものや現象に関しても、アニミズムの観点から魂や精霊は木に宿り、その木から作られる紙にもそのような力が宿るとも考えられていました。

紙に、文章をしたためて想いを人に伝える。知識を紙に書く。

電話やメールがない時代の伝達手段の担い手となり、文化や知恵を継承してきました。

また、紙によって国が動くこともありました。

紙は、文化や想いを伝える前向きな側面を持ちながらも、権力の媒体としても作用してきました。

紙幣や、行政文書、投票用紙、許可証など、国家を動かす動的な媒体として紙の威力が発揮され、紙によって人の動きが操作されたり管理される側面もあります。

紙には、権威や力、意味、想像力など様々なものが乗っている、まるで生き物のような怖さや不思議さ、神聖さを感じることがあります。

神社の護符とか、ごごごごごてなんか音するもん。

そういうようなことを考えると、時間がかかっても人の手で製本して、安く大量に印刷できる印刷所ではない、レトロな印刷所を使う意味みたいなものの、深さが増すような気がします。

紙って今は当たりまえに周りにあるけど、よくよくみると、とてもおもしろい不思議な力があるものなあだな~と思います。

護符にいかがでしょうか。

編集:めめめ

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